面接の録画は文字起こしにできる?話者を分けて採用チームで使える記録にする方法

面接を録画すること自体は、違法ではありません。ただし応募者の許可を得ること、外部に無断で公開しないことが前提になります。そのうえで、録画データを話者ラベル付きの文字起こしに変えると、採用チームが後から見返しやすい記録になります。この記事では、面接録画を文字起こしに変える具体的な手順と、法的に押さえておきたいポイントを整理します。
私はSubananaというAI文字起こし・議事録サービスを運営しています。この記事で紹介する手順の一部はSubananaを使った例ですが、まずは「録画をどう扱うべきか」という一般的な考え方から説明します。
なぜ録画のままだと使いにくいのか
採用面接を録画するのは、面接官の記憶だけに頼らず、後から他のメンバーと評価をすり合わせるためです。ところが録画したまま保存しておくと、30分の面接を確認するのにやはり30分かかります。候補者が複数いれば、その分だけ時間が積み上がります。
音声だけを共有された場合は、「誰が何を言ったか」を追うのも一苦労です。「あの候補者、たしか前職の退職理由について何か言っていた」と思っても、動画を早送りしながら探すしかありません。話者付きの文字起こしに変えておけば、この確認作業は流し読みで済みます。発言者ごとに整理されているので、必要な箇所だけをすぐ探せるからです。
面接録画を文字起こしにする基本ステップ

- 録画データを用意する。 Zoom・Google Meet・Teamsなど、普段使っている会議ツールの録画機能で保存したファイル、または録画専用の面接ツールから書き出したファイルを使います。
- 話者の人数を設定する。 面接官が1人か複数か、候補者は1人かを、アップロード前に確認しておきます。Subananaの逐語録(Transcript)モードには話者数の設定があり、手動で入力することも、自動検出に任せることもできます。人数が分かっている一次面接・二次面接では、手動入力のほうが話者の割り当てがずれにくくなります。
- 文字起こしを生成する。 アップロード後、話者識別(ダイアライゼーション)付きの文字起こしが作成されます。誰の発言かがラベルで分かる状態になります。
- 気になる発言を確認する。 文字起こし全体を読み返す代わりに、エディタ内のAIチャットに「候補者は前職の退職理由について何と言っていましたか」のように尋ねると、その文字起こしの内容にもとづいた答えが返ってきます。キーワード検索と違い、聞きたいことを質問の形のまま投げられます。
- 採用チームに共有する。 プロジェクトの共有リンクを渡せば、他の面接官もブラウザから同じ文字起こしを開けます。共有は閲覧(ビュー)権限で渡され、想定している使い方も「複数人で同時に編集する」ことではなく「見返して評価をすり合わせる」ことです。
話者を正しく分けるコツ(面接官 vs 候補者)
面接官と候補者の発言をきれいに分けたいなら、録画する側で先に手を打っておくのが早道です。
- 話者数は手動で指定する。 面接官2人・候補者1人のように人数が事前に分かっているなら、自動検出に任せず数字を入れておくほうが、発言の割り当てがずれにくくなります。
- 発言のタイミングを重ねない。 相槌が重なる、複数の面接官が同時に質問するといった場面は、話者の切り分けが難しくなります。進行役を1人決めて質問の順番をつくるだけでも変わります。
- できればオンラインで録る。 参加者がそれぞれ自分のマイクで話すオンライン面接(Zoom・Google Meet・Teamsなど)は、1本のマイクで部屋全体を拾う対面の録画より、声が混ざりにくくなります。
採用チームで共有するときに決めておくこと
面接録画・文字起こしを社内で共有する前に、運用ルールを決めておくと後で迷いません。
| 決めること | 内容の目安 |
|---|---|
| アクセス範囲 | 採用に関わるメンバーに限定し、異動・退職したメンバーの権限は外す |
| 保存期間 | 選考終了後いつまで残すか、削除のタイミングをあらかじめ決めておく |
| 録画・共有の目的 | 評価のすり合わせ、面接官トレーニングなど、目的を明確にしておく |
目的が曖昧なまま録画と共有だけが習慣になると、いつ・誰が・何のために見られる記録なのかが誰にも分からなくなります。使うツールが何であれ、ここは先に決めておいたほうが安全です。
面接を録画するときの法的な注意点
「面接を録画してもいいのか」は、採用担当者からよく出る疑問です。HRメディアのHR NOTE(hrnote.jp)は、Web面接の録画についてこう説明しています。
「Web面接で録画することは違法ではありません。そのため、Web面接を録画することは可能です。」 (Web面接は録画可能?やり方やメリット・デメリット — hrnote.jp、日本語ページ)
一方で、問題になるケースもあります。
「Web面接を録画して勝手に外部に公開するのは違法です。また、個人的な目的のため、相手の許可を得ずにWeb面接を録画するのは、バレないとしてもマナー違反です。」 (同上)
問題になるのは「無断で外部に公開すること」と「相手の許可を得ずに個人的な目的で録画すること」の2点です。同記事は、応募者の許可を得たうえで録画すること、そして面接の直前ではなく数日前にメールなどで伝えておくことをすすめています。
よくある質問
面接を録画してもいいですか?
会社が採用選考の記録として面接を録画すること自体は、違法ではありません。応募者に録画する旨を伝え、許可を得たうえで行うのが望ましい進め方です。伝えるタイミングは面接直前より、数日前にメールなどで知らせておくほうが親切です。
面接の録画は禁止されていますか?
法律で一律に禁止されているわけではありません。ただし応募者が録画を断ることもあります。その場合は録画を強行せず、通常どおりメモや評価シートで記録するだけで問題ありません。健康状態や前職の詳しい事情など、扱いに配慮が必要な内容に触れそうな面接では、そもそも録画が必要かどうかを個別に判断するのが無難です。
採用面接を録画していいですか?
実務上は「録画してよいか」よりも運用が問われます。応募者への説明・同意の取得方法、アクセスできる社員の範囲、保存期間と削除のタイミングを事前に決め、選考が終わったら不要な録画データを整理しておくと、後から「誰が見られる記録なのか分からない」という状態を避けられます。
オンライン面接の画面録画はバレますか?
会議ツールによって、録画開始時に参加者へ通知が出るものと出にくいものがあり、検知されるかどうかは一律には言えません。本質的な論点は検知の有無ではなく、相手の許可を得ずに録画すること自体です。画面録画であっても、通常の録画機能を使う場合と同じく、事前に伝えて許可を得ることをおすすめします。
録画を、見返せる記録に変える
面接録画をそのまま保存しているだけでは、選考が終わるころには「念のためのバックアップ」で終わってしまいがちです。話者を分けた文字起こしに変えることで、採用チームが必要な発言をすぐに確認できる、実際に使える記録になります。
Subananaの逐語録モードでは、話者数を手動で指定でき、面接官と候補者の発言を分けた文字起こしを作成できます。無料プランでも、ファイルの最初の15分までは文字起こし結果をその場で確認できます。まずは直近の面接録画をAI議事録・会議・文字起こしツールにアップロードして、話者の分かれ方を確かめてみてください。
インタビュー全般の文字起こしの作り方(そのまま引用できる逐語記録の整え方)は、インタビューの文字起こし記事でも詳しく解説しています。