「使っているAI議事録ツールが終わるらしい」「AI議事録って、そもそもサービス終了するのでは?」——そう思って検索した方に、先に結論をお伝えします。
2026年7月時点で、AI議事録というカテゴリ自体が終わる兆しはありません。 終了したのは個別のサービスです。しかも公式発表を読むと、その多くは撤退ではなく後継サービスへの統合でした。
ただし「カテゴリは安全です」で終わらせると、実際に使っていたツールが消えた人の役には立ちません。この記事では、公式発表で確認できた3件の終了を事実として並べ、そこから読み取れるパターンと、次に選ぶときに確認すべき5点をまとめます。
なお、後半で紹介する Subanana は私が運営しているサービスです。向かない場面もはっきり書きます。

実際に終了した(する)AI議事録サービス
公式ページとプレスリリースで確認できたものだけを挙げます。

| サービス | 提供元 | 終了日 | 案内されている移行先 |
|---|---|---|---|
| CLOVA Note β | LINE | 2025年7月31日(終了済み) | LINE WORKS AiNote |
| AI GIJIROKU | オルツ | 2025年10月31日(終了済み) | Rimo Voice(Rimo社が受け入れを発表) |
| CyberScribe | アドバンスト・メディア | 2026年9月30日(予定) | ProVoXT |
出典と、それぞれの中身を補足します。
- CLOVA Note β: 公式サイトに「2025年7月31日(木)をもってCLOVA Noteβのサービスを終了いたしました」と明記され、あわせて「今後は正式版としてリリースされたLINE WORKS AiNoteをご利用ください」と後継が案内されています(CLOVA Note 公式サイト)。移行先はベータ版から正式版への移行という位置づけです。
- AI GIJIROKU: オルツ社が提供していた音声議事録サービスで、2025年10月31日に終了しました。Rimo合同会社が同社のプレスリリースで、AI GIJIROKU利用者を自社の「Rimo Voice」へ受け入れると発表しています(Rimo合同会社のプレスリリース、2025年10月28日)。なお「正式な移行先」という表現はRimo社自身の発表によるものです。第三者の報道でも同じ経緯が確認できます(AIsmiley)。
- CyberScribe: これはまだ終わっていません。アドバンスト・メディアが2026年3月2日に告知しており、終了日は 2026年9月30日(水) です。理由も公式に書かれていて、「サービス品質向上およびプロダクトの一本化を目的とし、『CyberScribe』は『ProVoXT』へ統合するため終了いたします」とされています(アドバンスト・メディア公式)。現在CyberScribeを使っている場合は、この日付が実務上のリミットです。
3件から読み取れること
ここからは私の読み取りで、統計ではありません。3件という数字は「公式発表で確認できた範囲」であって、市場全体を測ったものではない点はお断りしておきます。
そのうえで、3件に共通するのは「利用者が宙に浮いていない」ことです。CLOVA Note と CyberScribe は提供元自身が後継製品を名指しし、AI GIJIROKU は競合が受け入れを表明しました。CyberScribeにいたっては、終了理由が「プロダクトの一本化」とはっきり書かれています。
つまり起きているのは市場の縮小ではなく、統合と再編と読むのが素直です。ベータ版が正式版に畳まれ、同じ会社の複数製品が1つのプラットフォームにまとまる。成熟期の市場でよくある動きで、「AI議事録がなくなる」という話とは方向が違います。
とはいえ、使う側にとっては再編も終了も同じことです。ある日「このサービスは終わります」と告知され、移行作業が発生する。 だから本当に大事なのは「カテゴリが安全か」ではなく、自分が乗り換えるときに困らない状態を作っておくことです。
次に選ぶときの5つの確認点
終了の告知が来てから慌てないために、契約前に見ておくと効く順に並べました。
- データを標準形式で持ち出せるか。 いちばん効きます。文字起こしを SRT・VTT・TXT・DOCX のような汎用形式で書き出せるなら、サービスが終わっても資産は手元に残り、次のツールにそのまま持っていけます。逆に、独自形式や画面上でしか読めない設計だと、終了告知=過去ログの喪失になりかねません。
- 後継や移行先が用意される見込みがあるか。 今回の3件はいずれも移行先がありましたが、これは保証された仕組みではありません。単独製品の小さなサービスほど、後継が用意されない可能性は上がります。
- 録音データがどう扱われるか。 保存期間、AIの学習に使われるかどうか、削除の手段。ここは各社が公開している範囲を読むのが確実です。たとえば文字起こしさんは料金表の各プラン欄に「ログなし、非学習」と明記しています。こうした明示があるかどうかは、比較の材料になります。
- 料金体系に無理がないか。 相場から極端に安いプランは、続けるための値上げや仕様変更が起きやすい部分です。日本語のクラウド型は月1,000〜2,500円前後に集まっていて、Notta はフリー(文字起こし120分)とプレミアム月額1,185円(年間プラン・税込)、文字起こしさんはベーシック月額1,100円(税込、音声24時間/月)といった水準です(いずれも2026年7月時点、各公式ページより)。
- 乗り換えコストが読めるか。 使っている機能が多いほど移行は重くなります。「文字起こしだけ」なら乗り換えは軽く、テンプレートや用語集を作り込んでいるほど重い。作り込む前に、1と3を確認しておくのが安全です。
この5点のうち、終了リスクを実際に無害化してくれるのは1番だけです。2〜5は選定の判断材料ですが、書き出せるデータを持っていれば、最悪どこへでも移れます。
移行先・乗り換え先をどう選ぶか
用途別に、正直なところを書きます。
- 公式の後継がある場合は、まずそこを見る。 CLOVA Note なら LINE WORKS AiNote、CyberScribe なら ProVoXT。移行の手間がいちばん軽く、機能の対応関係も提供元が把握しています。乗り換え先を一から探すのは、後継が合わなかったときで十分です。
- とにかく安く、日本語の会議を回したい場合。 ここは日本のサービスが強いです。文字起こしさんは音声24時間/月で月1,100円(税込)、Notta はフリープランで120分試せます。分あたりの費用でも、無料で試せる範囲でも、この2つのほうが Subanana より有利です。 日本語だけの会議を数多く回すなら、素直にこちらが向いています。
- 多言語が混ざる、字幕まで必要な場合。 会議に英語や中国語が混ざる、あるいは録画に字幕を付けて配布する必要がある——ここが私たちの主戦場です。
Subanana を選ぶ場合(運営者として)
私が運営している Subanana は、ブラウザだけで完結するWebサービスです。録音や動画をアップロードすると、話者を分けた文字起こしと、要点・決定事項・アクションアイテムをまとめた議事録を作れます。要約に使うAIモデルは選べ、対応言語は95以上、ファイルは有料プランで最大30GB/8時間まで扱えます。
このテーマに直接効くのは、書き出し形式の広さです。SRT・VTT・TXT・DOCX・XLSX・Markdown の6形式で書き出せるので、文字起こしと議事録は汎用ファイルとして手元に残ります。上の確認点1をそのまま満たす設計で、これは「どのサービスを使うにせよ持っておくべき状態」です。
⭕ 他社が勝つ点: 料金と、無料で試せる範囲です。Subanana の無料プランは結果を確認するプレビュー中心で、生成は各ファイルの先頭15分まで。字幕・文字起こしの書き出しは有料プランで解放されます(年払い換算で Lite が月あたり US$9 から)。日本語のみの用途なら、前述の日本のサービスのほうが安く済みます。
それから、公平のために書いておきます。「うちは終わりません」とは言えません。 どのサービスも同じで、それは約束できるものではない。だからこそ、確認点1(標準形式で持ち出せるか)を基準にしてくださいというのが、この記事の主張です。
よくある質問
AI議事録の月額料金はいくらですか?
日本語のクラウド型サービスは、個人向けで月1,000〜2,500円前後に集まっています。2026年7月時点の各公式ページでは、文字起こしさんがベーシック月額1,100円(税込、音声24時間/月)、Notta がプレミアム月額1,185円(年間プラン・税込)で、Notta にはフリープラン(文字起こし120分)もあります。Subanana は米ドル表示で、年払い換算 Lite が月あたり US$9 からです。料金は変わりやすいので、契約前に各社の公式料金ページで最新をご確認ください。
議事録AIはどれがいいですか?
用途で決まります。日本語だけの会議を安く数多く回すなら、日本のサービス(文字起こしさん・Notta など)が有利です。提供元が後継を案内している場合は、まずその後継が有力候補になります。会議に複数言語が混ざる、話者を分けた読める記録が要る、字幕ファイルまで必要——という条件が増えるほど、Subanana のようなツールが向きます。どれを選ぶ場合も、まず無料枠で自分の音源を1本通してみるのが確実です。録音環境によって結果が大きく変わるためです。
AI議事録は安全ですか?
「安全かどうか」は、サービスごとに公開されている条件を読んで判断する話になります。見るべきは3点です。録音とテキストの保存期間、AIの学習に使われるかどうか、削除の手段。たとえば文字起こしさんは料金表に「ログなし、非学習」と明記しています。会社の情報を扱うなら、この3点が公開されているサービスを選ぶのが無難です。なお Subanana では、有料ワークスペースのコンテンツは自動削除されず、アップロードしたファイルと文字起こしはそのまま残ります。
無料のAI議事録アプリはありますか?
あります。ただし無料枠の設計は各社でかなり違います。Notta はフリープランで文字起こし120分(2026年7月時点、公式料金ページより)。Subanana の無料プランは結果を確認するプレビュー中心で、生成は各ファイルの先頭15分まで、書き出しは有料プランで解放されます。「無料でどこまでやりたいのか」——文字起こしを見るだけなのか、書き出して配りたいのか——で、選ぶべき無料枠は変わります。
まとめ
AI議事録というカテゴリが終わる話ではなく、個別のサービスが統合・再編されている——公式発表を並べるとそう読めます。CLOVA Note β は2025年7月31日、AI GIJIROKU は2025年10月31日に終了し、CyberScribe は2026年9月30日に ProVoXT へ統合される予定です。いずれも移行先が示されました。
使う側の対策はシンプルで、文字起こしと議事録を標準形式で書き出せる状態にしておくこと。これさえ満たしていれば、どのサービスが終わっても資産は手元に残ります。移行先の選定は、そのうえでの話です。
具体的な移行先の比較は CLOVA Note の代わりを用途別に比較に、AI議事録の仕組みと選定軸そのものは AI議事録とはにまとめています。