「CLOVA Note が使えなくなった。同じ感覚で使える代わりはどれか」——検索でここに来た方は、たいていこの状態だと思います。
先に事実だけ確認しておきます。CLOVA Note β は 2025年7月31日 でサービスを終了し、公式サイトは移行先として LINE WORKS AiNote を案内しています。つまり「代わりを自分で探さないといけない」わけではなく、公式の後継はすでに決まっています。
それでも移行先を比較する意味があるのは、AiNote の無料プランでは AI 要約が使えないからです。CLOVA Note を「録音して、文字起こしして、要点をまとめる」用途で使っていた人ほど、無料のまま乗り換えると物足りなさを感じます。
この記事では、公式ページで確認できた料金と機能だけを使って、移行先を用途別に整理します。なお後半に出てくる Subanana は私が運営しているサービスなので、向かない場面もはっきり書きます。

まず事実確認:CLOVA Note は 2025年7月31日で終了した
CLOVA Note の公式サイトには、こう書かれています。
2025年7月31日(木)をもってCLOVA Noteβのサービスを終了いたしました。
今後は正式版としてリリースされたLINE WORKS AiNoteをご利用ください。
(出典:CLOVA Note 公式サイト)
ポイントは「β(ベータ)版が終了し、正式版に引き継がれた」という形だということです。サービスが消えてなくなったわけではなく、名前と提供形態が変わりました。
移行先を選ぶ前に、決めるのは3つだけ
比較記事を読み始める前に、次の3点を決めておくと選択肢が一気に絞れます。
- 要約(議事録)まで自動で欲しいか。 文字起こしのテキストが出れば十分なのか、要点・決定事項・次にやることまでまとめて欲しいのか。ここが最初の分かれ道です。
- 日本語だけでいいか。 日本語の会議だけなら選択肢は多いですが、英語や中国語が混じる打ち合わせ、翻訳まで必要な場合は絞られます。
- テキスト以外の書き出しが要るか。 Word で配るのか、動画に付ける字幕ファイル(SRT)まで欲しいのか。
移行先の早見表
公式ページで確認できた範囲の比較です。価格は各社の表記に合わせています(AiNote は税抜、文字起こしさんは税込)。
| LINE WORKS AiNote | 文字起こしさん | Subanana | |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | CLOVA Note の公式な後継 | 登録せずにすぐ試せる | 多言語の会議・字幕までまとめたい人向け |
| 無料でできること | 月 300分(5時間)の文字起こし | 登録不要で3分まで/無料登録で毎日10分 | 各ファイルの最初の15分をプレビュー |
| 有料の入口 | ソロ 月 1,440円(年額契約) | ベーシック 月 ¥1,100(税込) | Lite 月18ドル(年払いで月あたり9ドル) |
| 対応言語 | 日・英・中・韓の4言語 | 100以上 | 95 以上 |
AiNote の対応言語は製品ページの「主な機能」に「複数言語の対応(日/英/中/韓)」と記載されています(出典:LINE WORKS AiNote 製品ページ)。

1. LINE WORKS AiNote — 公式の後継。まずここを見る
CLOVA Note の公式サイトが名指しで案内している移行先です。まずここを試して、足りなければ他を見るのが一番迷いません。
よくある誤解を先に潰しておきます。AiNote は法人専用ではありません。 公式ページにこう明記されています。
はい、LINE WORKS AiNoteは企業や組織だけではなく、個人でもご利用になれます。
同じページは AiNote を「累計登録者100万人の「CLOVA Noteβ」の法人版として、満を持して登場」と位置づけています。法人版として作られてはいるものの、個人が使うことは公式に認められている、というのが正確な理解です。
個人向けプランは公式の料金ページに一覧があります。
| プラン | 月額(年額契約) | 月額(月額契約) | 月間文字起こし時間 | AI要約の回数 | 利用人数 |
|---|---|---|---|---|---|
| フリー | 0円 | 0円 | 300分(5時間) | 利用不可 | 最大30人 |
| ソロ(個人利用向け) | 1,440円 | 1,600円 | 600分(10時間) | 利用可(12回/月まで) | 無制限(1人または少人数での利用向け) |
(出典:LINE WORKS AiNote 料金プラン。同ページに「※上記価格は税抜です。」との注記あり)
無料プランの制限は、同じページにこう書かれています。
フリープランは月300分(5時間)までの文字起こしが可能な入門プランで、料金は0円。 一部機能に制限があります(AIによる要約機能やWeb会議録音機能は利用不可、データ保管期間1年など)。
AiNote が明確に強いところも書いておきます。話者分離の性能そのものは、国際コンペティションで評価されるほど高い水準にあります。
前述のとおり話者分離の性能は国際大会で評価されるほど高く、さらに発言者を自動で識別して会議記録に名前を反映する、自動話者認識機能も追加料金なしで利用可能です。
⚠️ ただし、この「自動話者認識」(話者に名前を自動で当てる機能)は個人向けプランでは使えません。AiNote の製品ページには「※話者分離は、国際コンペティション「DIHARD3(2021年)」で世界3位、自動話者認識は企業向けプランのみ」と明記されています(出典:LINE WORKS AiNote 製品ページ)。フリー・ソロで使えるのは「誰かと誰かが話し分けられる」話者分離までで、その話者に名前が自動で入るのは企業向けプラン(チーム以上)からです。個人利用でこの機能を目当てに契約すると期待外れになるので、先に確認してください。
日本語の社内会議を、CLOVA Note と同じ感覚のまま文字起こししたい——この用途なら、AiNote を選ばない理由はほとんどありません。話者分離そのものの仕組みについては話者分離できる文字起こしとは?でも解説しています。
向いている人: 日本語の会議が中心で、CLOVA Note と同じ感覚のまま使い続けたい人。要約まで必要ならソロ(月 1,440円・年額契約)へ。話者名が自動で入る議事録が目的なら、個人向けプランでは足りません——企業向けプランの契約が前提になる点に注意してください。
2. 文字起こしさん — 登録せずに、今すぐ試したいとき
「まず手元の録音がちゃんと文字になるか確かめたい」段階なら、ここが一番敷居が低いです。公式サイトの説明はこうです。
音声・動画・画像・PDFをアップロードするだけで、AIが文字起こし
ブラウザですぐ使える
無料の範囲も明記されています。「登録不要で3分まで無料」、そして「無料登録で毎日10分。1ファイルでも10分まで文字起こしできます」。対応言語は「100以上の言語に対応」と書かれています(出典:文字起こしさん 公式サイト)。
有料の入口はベーシックプランで、公式の料金ページによると「¥1,100/月(税込)」で「音声 24時間/月」、ただし「最大90分/1ファイル」という上限があります(出典:文字起こしさん 料金)。90分を超える講演やインタビューを1本のまま扱いたい場合は、この上限を先に確認しておいてください。
向いている人: アカウントを作る前に精度を確かめたい人。短い録音が中心の人。
ブラウザだけで使える文字起こしツールは他にもあります。まとめて見たい場合は文字起こしアプリ おすすめ比較が参考になります。
3. Subanana — 多言語の会議や、字幕まで必要なとき
ここから先は私が運営しているサービスの話なので、先に正直な線引きをします。日本語だけの社内会議なら、価格面で AiNote のほうが有利です。 1時間あたりの単価で見ると差はかなり大きく、そこを覆すつもりはありません。
Subanana を検討する価値があるのは、次のどれかに当てはまるときです。
- 英語や中国語が混じる会議を扱う。 対応言語は 95 以上で、文字起こしと翻訳の両方に同じ言語リストが使えます。言語ごとにベンチマークして、その言語でいちばん成績のよい音声認識モデルを自動で選ぶ仕組みなので、1社のモデルに固定されません。
- 議事録の「中身」まで自動で欲しい。 要点・決定事項・アクションアイテムを自動でまとめます。要約に使う AI モデルは、用途に合わせて自分で選べます。
- 字幕ファイルまで必要。 書き出しは SRT・VTT・TXT・DOCX・XLSX・Markdown の 6 種類です。会議の記録を Word で配るのも、動画に字幕を付けるのも同じ画面で完結します。
- 長い録音を1本のまま扱いたい。 1 ファイルあたり 30GB/8 時間まで対応します(有料プラン)。
使い方はブラウザだけで完結します。アップロードのほかに、YouTube・Instagram・Facebook の公開 URL を貼り付けて取り込むこともできます。話者を分けた文字起こしにも対応しています。
待ち時間の目安も出しておきます。2026年7月時点の処理時間の中央値は、1 時間の会議で 4.9 分、2 時間の会議で 7.5 分です。会議が終わってコーヒーを淹れて戻ってくると、だいたい議事録ができています。
Subanana が向かないケースも書いておきます。 無料プランは結果を確認するためのもので、字幕や文字起こしのファイル書き出しは有料プランで解放されます。無料で見られるのは各ファイルの最初の 15 分です。つまり「ずっと無料で使い続ける」使い方には向きません。料金は Lite が月18ドル、年払いなら月あたり9ドルから(60分/月)で、上位プランは料金ページにまとめてあります。無料の範囲の広さで選ぶなら、上の2つのほうが素直です。
4. 自分のパソコンの中だけで完結させたい場合
録音を外部のサービスに上げたくない、という条件が最優先なら、自分の機材で動かす選択肢があります。代表的なのが whisper.cpp で、OpenAI の Whisper 音声認識モデルを手元で高速に動かすための実装です。MIT ライセンスで公開されており、Apple Silicon 向けに最適化されていると README に明記されています(出典:whisper.cpp)。
ただしコマンドライン操作が前提で、要約・話者名の整理・字幕の書き出しはすべて自分で組み立てる必要があります。CLOVA Note の手軽さを求めて来た人には、正直おすすめしにくい選択肢です。「多少手間でも、音声を外に出さないことが最優先」という条件のときだけ検討してください。
用途別のまとめ
- 日本語の会議中心、CLOVA Note と同じ感覚で使いたい → LINE WORKS AiNote。要約が要るならソロ。
- まず精度を確かめたい、登録もしたくない → 文字起こしさん。
- 英語・中国語が混じる、翻訳や字幕まで必要 → Subanana。
- 音声を外部に出せない → whisper.cpp などを自分の環境で。
議事録そのものの書き方に不安がある場合は、議事録の書き方のコツとAI議事録の導入ガイドもあわせてどうぞ。
よくある質問
CLOVA Note の後継アプリは?
LINE WORKS AiNote です。CLOVA Note 公式サイトが「今後は正式版としてリリースされたLINE WORKS AiNoteをご利用ください。」と案内しています。無料のフリープランは月 300分(5時間)まで文字起こしができ、利用人数は最大30人までです。ただし AI 要約は利用不可で、要約まで使うにはソロプラン(月 1,440円・年額契約、税抜)以上が必要です。
CLOVA Note は使えなくなったのですか?
はい。CLOVA Note β は 2025年7月31日でサービスを終了しています。公式サイトに「2025年7月31日(木)をもってCLOVA Noteβのサービスを終了いたしました。」と掲示されています。新しく使い始めることはできません。
CLOVA のサービスは終了するのでしょうか?
公式サイトで終了が告知されているのは「CLOVA Note β」というサービスです。しかも打ち切りではなく、正式版である LINE WORKS AiNote への引き継ぎという形になっています。CLOVA ブランドの他のサービスについては、この告知は何も述べていないため、それぞれの公式ページで確認してください。
LINE CLOVA Note は安全ですか?
β 版はすでに終了しているため、新しくデータを預けること自体ができません。移行先を選ぶときに確認しておきたいのは、録音データがどれくらい保管されるかと、利用規約の中身です。たとえば AiNote のフリープランについては、公式の料金ページに「データ保管期間1年」と記載があります。判断材料は各サービスの公式ページに書かれているので、乗り換え前に一度目を通しておくことをおすすめします。
まとめ
CLOVA Note β は 2025年7月31日に終了し、公式の後継は LINE WORKS AiNote です。日本語の会議が中心なら、まずここを試すのが最短ルートです。
分かれ道になるのは「無料のまま要約まで欲しいか」と「日本語以外を扱うか」の2点です。無料プランでは AI 要約が使えないので、要約が必要ならどこかで有料プランを選ぶことになります。そして英語や中国語が混じる会議、翻訳、字幕ファイルまで必要になると、選択肢は日本語特化のツールから外に広がります。
自分の録音で試してから決めるのが確実です。どのサービスにも無料で試せる範囲があるので、いちばん長い録音を1本流してみてください。
なお、終了したAI議事録サービスは CLOVA Note だけではありません。公式発表で確認できた3件の終了日と移行先、そして次に選ぶときの確認点は AI議事録はサービス終了するのですか? にまとめています。