音声・会議内容の要約の書き方:事実・決定・次の行動を分けるテンプレート

音声・会議内容の要約の書き方:事実・決定・次の行動を分けるテンプレート

音声を文字に起こしただけの記録と、会議の要約は別物です。この記事が扱うのは、レポートや小論文を短くする一般的な要約術ではなく、録音した音声や会議の内容を、その場にいなかった人が読んでもそのまま動ける文章にする書き方です。要約の意味そのものから確認したい方は、先に要約とはに目を通しておくと早いです。

なぜ「事実」「決定」「次の行動」を分けて書く必要があるのか

会議や音声の要約で一番多い失敗は、決定事項と次の行動を書いたつもりで、実は「まだ決まっていないこと」まで決定事項に紛れ込ませてしまうことです。

たとえば、顧客インタビューの音声に「解約を検討しているユーザーの半数が、価格ではなく機能不足を理由に挙げていた」という発言があったとします。これは調査で得られた事実であって、決定ではありません。しかし要約を急いで書くと、「価格プランを見直すことになった」のように、事実と決定が同じ文の中で混ざってしまうことがあります。読み手は、何が確認された事実で、何がチームとして決めたことなのかを区別できなくなります。

この混同を防ぐには、決定事項と次の行動の前に、事実という3つ目の仕分け先を用意しておくのが確実です。

  • 事実:発言・データ・報告など、その場で確認された内容(まだ決めていないことも含む)
  • 決定:チームとして合意した結論(決めなかった、という結論も含む)
  • 次の行動:誰が・何を・いつまでにやるか

会議の要約に必要な考え方の基礎(読み手が知りたい本質だけを残す、決定事項と次の行動を残すべきという原則)は要約とはで解説しているので、ここでは触れません。ここから先は、その原則を実際の文章に落とし込むための、コピーして使えるテンプレートを示します。

コピーして使える要約テンプレート

以下の表をそのままメモ帳やドキュメントにコピーし、音声や会議の内容を聞きながら埋めていくだけで、要約の骨格が完成します。

項目書く内容良い例NG例
事実発言・データ・報告として確認された内容「解約検討ユーザーの半数が機能不足を理由に挙げた(カスタマーサクセスチームの聞き取り調査より)」「機能が足りないという話が出た」(誰の情報か、根拠が抜けている)
決定チームとして合意した結論(保留や見送りも決定)「今四半期はエクスポート機能の拡張を優先する。価格改定は見送る」「いろいろ検討する」(何を決めたのか分からない)
次の行動誰が・何を・いつまでにやるか「田中さんが金曜までにエクスポート機能の要件案を共有する」「対応を進める」(担当者と期限がない)

3列目の「良い例」を見ると分かる通り、事実の行には根拠(誰が確認したか)、決定の行にはその決定に至った条件、次の行動の行には担当者と期限が必ず入っています。この3点が抜けている文は、どの行に置いても「NG例」になります。

事実・決定・次の行動の3分類テンプレート

表を埋め終えたら、3つの仕分け先のうち「次の行動」から先に読ませる順番に並べ替えます。読み手が最初の数行で「結局何をすればいいか」を掴めることが、圧縮率よりも重要です。

書き方の手順(4ステップ)

コピーしたテンプレートを実際に埋めるときの手順です。

  1. 音声・文字起こしを一度通して聞く(読む):この段階ではメモを取らず、全体の流れと結論を把握することだけに集中します。
  2. 一文ずつ「事実」「決定」「次の行動」のいずれかに仕分ける:どれにも当てはまらない発言(世間話、脱線、重複した確認)は仕分けず、そのまま捨てます。
  3. 仕分けた内容を、根拠・条件・担当者と期限がそろっているか確認する:足りない場合は、音声・文字起こしに戻って該当箇所を聞き直します。
  4. 「次の行動」→「決定」→「事実」の順に並べ替えて清書する:読み手が知りたい順は、時系列の順とは限りません。

この4ステップは、30分の会議でも2時間のインタビュー音声でも同じように使えます。長い音声ほど、仕分けずに捨てる発言(手順2)の割合が増えるだけです。

この書き方が向かないケース(レポート・小論文の要約)

ここまでの内容がしっくりこない場合、探している要約の種類が違う可能性があります。

学術的なレポートや小論文の要約は、書かれている文章そのものを正確に縮めることがゴールです。読み手はその文章を後から読み返せる第三者で、目的は内容の理解で完結します。この場合、事実・決定・次の行動という仕分けは基本的に不要です。小論文やレポートの要約の書き方を探している場合は、この記事ではなく学術系の要約ガイドを参照してください。

一方、この記事が対象にしているのは、録音・会議という「その場限りで消える情報」を、あとで読む人に残すための要約です。読み手の多くは、その場にいなかった人か、その場にいたが細部を忘れてしまった人です。文章の巧拙よりも、「決まったこと」と「やるべきこと」が抜け落ちていないかどうかが問われます。

判断に迷ったときの基準はシンプルです。元になっているのが「文章」なら圧縮型の要約、「発言」なら仕分け型の要約、と考えると分野を問わず応用できます。この2種類のゴールの違いは要約とはで詳しく説明しています。

AIで音声・会議の要約を自動化する(Subananaの場合)

事実・決定・次の行動に仕分ける作業は、慣れれば数分でできますが、毎回手作業で音声を聞き直しながらやるのは負担です。SubananaのAI議事録ツールは、選んだテンプレートに沿って、議論の要点・決定事項・アクションアイテムを自動で抽出します。

会議の要約機能では、テンプレートを30種類以上から選べます(会議用、ビジネス用など)。この記事の「事実・決定・次の行動」のように自分の型を使いたい場合は、「AIで生成」で独自のテンプレートを作ることもできます。文字起こしの部分は句読点と段落分けが自動で整えられるため、要約の元になるテキスト自体もすでに読みやすい状態になっています。

要約に使うAIモデルは複数の主要LLMの中から選べる仕組みで、会議要約はSubananaの中で唯一、ユーザーが利用モデルの精度帯(ティア)を選択できる機能です。翻訳を併用する場合、会議要約モードでは1つの翻訳先言語を同時に出力する仕様になっています(複数言語への同時翻訳は字幕モードの仕様です)。ツールの選定段階から比較したい場合は、会議要約に向いているLLMの比較も参考になります。

ひとつ注意点があります。要約に含まれる「次の行動」(担当者・期限)は、あくまで要約文中のテキストです。会議中に「〇〇さんが金曜までに」と口頭で話された内容はそのまま反映されますが、タスク管理ツールへの自動連携や、担当者への自動アサインは行われません。「次の行動を文章として残す」ことと「タスクを作成する」ことは別の仕組みだと理解しておくと、運用でつまずきません。

要約に書ききれなかった細部を後から確認したいときは、文字起こしエディタ内のAIチャットに質問できます。「価格プランについて何を決めましたか」のように聞けば、その会議の文字起こしにもとづいた答えが返ってきます。

会議がGoogle MeetやMicrosoft Teams上で行われる場合は、ボットが自動で参加して録画・文字起こしまで進めるワークフローが使えます。プラットフォームごとの具体的な設定方法は、Teams議事録を自動作成する方法Google Meet録画を議事録に変える方法にまとめています。ツール選びの段階から機能を比較したい場合は、議事録・要約ツールの比較記事もあわせてご覧ください。

無料プランでも文字起こし・要約の生成自体は試せますが(1ファイルにつき先頭15分までのプレビュー)、要約や文字起こしをファイルとして書き出す機能は有料プランのみです(無料プランで書き出せるのは透かし入りの動画のみ)。まずは自分の音声で仕分けの精度を確認してから、

のがおすすめです。

FAQ

要約の書き出しの例文は?

結論から書き始めるのが基本です。会議の要約であれば「次の行動」または「決定」から書き出します。たとえば「田中さんが金曜までにエクスポート機能の要件案を共有する(次の行動)。理由は、今四半期はエクスポート機能の拡張を優先することが決まったため」のように、まず動くべきことを一文目に置き、そのあとに決定の背景を続けます。時系列順に「まず〇〇について話し、次に〇〇について議論し……」と書き始めると、読み手が結論にたどり着く前に読むのをやめてしまいます。

要約の文章例文は?

顧客インタビューの音声を例にします。元の発言は「解約を検討している顧客に理由を聞いたところ、半数近くが価格ではなくエクスポート機能の不足を挙げていた。エンジニアチームからは、対応するなら次のスプリントからでも着手できるという話があった。最終的に、価格改定は見送り、エクスポート機能の拡張を今四半期の優先課題にすることで合意し、田中さんが金曜までに要件案をまとめて共有することになった」という内容だったとします。

これを事実・決定・次の行動に仕分けると、次のようになります。

  • 事実:解約検討顧客の半数近くが、価格ではなくエクスポート機能の不足を理由に挙げていた
  • 決定:価格改定は見送り、エクスポート機能の拡張を今四半期の優先課題にする
  • 次の行動:田中さんが金曜までに要件案をまとめて共有する

3行だけですが、読んだ人はこのインタビューで何が分かり、チームが何を決め、次に誰が何をするのかをすべて把握できます。

ChatGPTで要約するコツは?

音声を文字起こししたテキストをChatGPTに渡すときは、「短くまとめて」ではなく「事実」「決定」「次の行動」の3つに仕分けて出力するよう具体的に指示すると、抜け漏れが減ります。プロンプト例は「以下の文字起こしを、事実・決定・次の行動の3つに分けて箇条書きにしてください。決定には決まらなかったことも含め、次の行動には担当者と期限を必ず書いてください」のように、この記事のテンプレートの3列をそのまま条件として渡す形です。ただし、文字起こし自体に聞き取り誤りがあると要約の精度も落ちるため、元の文字起こしの精度を先に確認しておくことをおすすめします。


要約を書くたびに音声を聞き直し、手作業で3つに仕分けるのは、慣れていても時間がかかります。次の会議やインタビュー音声で、まずこのテンプレートを一度手で埋めてみて、そのあとSubananaの会議要約機能で同じ音声を試し、どれだけ時間が浮くかを比べてみてください。